空白ではなかった30年

高校2年、3年と同級生でした。
作文の上手いやつで、温厚な人柄はすっごく好きでしたね。

同じ進路での大学受験に挑んだのですが、彼は残念な結果に・・・
その後、浪人の末、しばらくして大学は違えど同じ学部に入学してました。

正確に言うと、浪人を数年したのは知ってましたが、その後は連絡もとれず知りませんでした。




私が合格し、彼は傷心の最中に、私は励ますつもりで神社でお守りを手に入れ、電車に乗って市外の彼の家まで行きました。
彼は不在で、お母さんがいたのですが「うれしくて、おばちゃん涙がでそう」と、
けど、正直そのような行動をとったもののなにか釈然としないものが・・・・
励ましに行ったのに、なんとなく本当によかったのかと。
しかし、その時は自分の気持ちを押し付けているだけで、彼の心情を分かってないことに気づいていませんでした。
18歳の社会経験の無い青年だからなのか、人間として鈍感だったのか・・・


数ヵ月後に予備校の帰り道の彼にばったり出会いました。
懐かしくて思わず声をかけると、
彼はにやっと笑いながらも、意外な言葉を
「一番会いたくないやつに会ってしもうた・・・」
人のいい彼からに決していやみを感じませんでしたが、
その辛辣な言葉に、私は話をはぐらかすしかなかった。
そのとき、はじめて彼の気持ちが凄く分かった気がしました。
俺のことを嫌いじゃないのは伝わってくる。けど、やっぱり大学生という同じ立場になって会いたいんだなと。
忸怩たる思いを抱えて別れました。


その日がたぶん最後だった思う。
私は親友に、以後連絡をとることはありませんでした。
毎年合格発表の度に自分の大学の掲示板で彼の名前を探しました。
見つからないと、入学してくる後輩達に彼の状況を聞いて確かめることが精一杯でした。
3年ほどは不運な結果を耳にしましたが、その後は行方が分からなくなってしまいました。


大学を卒業する頃でしょうか、どうしても、なんとか確認したくて彼の自宅の前まで行きました。
市外の商店街の衣料品店が実家なのですが、高校時代遊びに行ったその商店街は週末の夕方というのに閑散としてました。
彼の実家の商店はシャッターがおりてました。
人の気配も無く、なんとなく家族みんな引っ越したんだなって感じられました。


私が卒業してから何年経った頃でしょうか。
クラブの7つほど年下の後輩が、先日OO大学の人から「君OO大学でしょ。OO君って知ってる?」と聞かれたと言って来た。
その人の名前はもう覚えてないとも。

私は直感で彼だって分かりましたね。
元気にしてるんだ。あきらめずに希望の道に進んだんだ。よかったって。
嬉しくて、なんだか涙が出てきて、目の前の後輩はびっくりしてた。
「なんか、俺悪いこと言いましたか?」って。


それから10年以上が経ち、インターネットが普及している現在、ここ数年は彼のことはなんとなく分かってました。
仕事の状況も居場所も、
けど、それだけで満足であえて連絡をとることはしませんでした。
彼にとっては大分という地、そして私たちには苦しかった数年間が重なっているのかもしれないし、



卒業から30年が経ち、先日Facebookで彼を見つけました。
彼もFacebookを始めたばかりでした。
山口の地でりっぱにひとり立ちして働いている彼に数ヶ月前Facebookでコンタクトを取って見ました。

「お久しぶりです。30年ぶりだね」って。

じつは彼もネットで私の動向を確認してくれてたそうで、今の勤務先も私の立場も知ってました。

そして、
「みつけてくれてありがとう」ってメッセージをいただいた。





そして、この夜30年ぶりの再会となりました。


再会には多少の緊張を伴いました。

会った瞬間、内心は欣喜雀躍の気分でありましたが、お互いゆっくり静かに握手を交わしました。


話したいことは山ほどある。伝えたかったこともたくさんある。


少しづつお互いの報告をしあいました。


しかし、決してお互い饒舌ではなかった。


ただ、彼が隣にいるという状況に魅惑されながら、杯を交わしてました。





その夜、分かれた後、彼からのメールがきました。

「誘ってくれてありがとう。
多分モンタが思っている以上にモンタに感謝しています」


肺腑をつく言葉でした。



30年は空白だったけど・・・決して全くの空白じゃなくなったような気がしました。




30年分、嬉しかった。   




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by moriken1103 | 2012-09-02 08:46 | Trackback | Comments(0)
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