「借飯魚(ままかり)」

岡山ってのは九州の人間にとってはとっても中途半端なとこなんですよね。

広島にも神戸・大阪にも行くんだけど、岡山駅で下車する理由がみつからない。


桃太郎の吉備団子ってお土産が有名ですが、そもそも桃太郎が持ってたのは「黍団子」!

桃太郎だって岡山の人じゃないし、吉備と黍が語呂があるからって、無理やり名産にしてしまったという、商業的名産、

というわけで、興味も湧かず今に至り、2回目の岡山。




しっとりとした秋雲の下、散歩がてらに後楽園へ。

し、仕事の合間にですよ、

途中、川面に映える漆黒の金烏城(きんうじょう)こと岡山城が望めます。
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この「後楽園」、日本三大庭園の一つってことぐらいは知ってましたが、

実際足を延ばしてみると、さすがに見事なもんです。
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日本庭園の独特の空間美につつまれる快感とでもいいましょうか、心地いいんです。
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「廉池軒」っていう、戦火をまぬがれた数少ない建物である茶屋に座って、吉備団子とお抹茶でのんびり・・・・悦!!
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吉備団子やっぱ食べちゃいました・・・・いちよう名物ですから?



夜は現地の方にすすめられた「ままかり」って名前の料理屋さんへ、



ままかり」とは「借飯魚」と書くのだそうです。


コノシロに似たにしん科の小魚で、本名は「さっぱ」。


酢漬にした姿はたしかに「こはだ」に似てる。



江戸前の「 こはだ 」は好物なんですが、この「 ままかり 」ってのはどんなものかと興味津々で岡山に来たわけです。


この「ままかり」ってぇのは、銀色の美しい小さな魚で、軽い味でね、酢漬によし、南蛮によし、鮨でもいける。


人肌のぬる燗をクイとやりながら、ヒョイとひと箸つまむと、舌の柔らかいところへ、「ままかり」のうまみが、ジュワ~と沁みてくる。


た、たまらんです。
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けっして高級な魚じゃないんですが、「借飯魚」って書く意味がわかりますね。


「これを食ふに味美なり闔船の飯を喫し蓋し竟に隣船より飯を借て食ふ其の味の美なるに因てなり故に名づけし」
と成島柳北の『航薇日記』より

「ご飯食べるときこの魚があんまり旨まいもんだから、飯が足りなくなって隣に飯を借りにいくほど」ってこと。



この割烹「ままかり」の「ままかり鮨」

思い出すだけで、一杯飲めそう・・・
by moriken1103 | 2011-10-23 15:22 | 散歩
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