黒電話

電話が我が家に来たのは小学校の低学年でした。

その前は、近所のお店に電話借りに行ってました。

若い人には判んないだろうね。

おばさんがやってきて「OOさん、実家から電話ですよ~」って、

玄関先で、静かに話した後、「ありがとうございました!」って、お礼を言って帰るんですね。

マンガの「トトロ」の中ににもそんなシーンがあったよね。

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我が家に保管しているアンティーク電話


その電話が我が家にやってきた時、なんかすごい貴重なものに感じてました。

なぜだか、電話の場所も居間ではなくて、玄関のそば!

電話台なる電話を置く台があって、電話の下にはレースのシーツが敷かれてました。

ホント!笑

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シルエットの曲線が重厚感を醸しだしてるでしょ






中学校に入学早々、朝学校に行くと机の中に何か袋があります。

何気なく取り出すとリボンが!

同じサッカー部で親友のマモと目があったまま固まってしまいました。

マモが私の腕をつかみ、隣の隣の音楽教室へ走ります。


「開けてん!」

マモの上気した顔に促されながら、袋を開けると、小さな銀のコーヒーカップと手紙が・・、


「読もうエ!」

私は封筒を開きかけましたが、突然

「バカやねん!」 と、手紙を破り、コーヒーカップとともに音楽室のゴミ箱へ捨てました。


マモが、 「いいんかえ」


私は笑いながら、マモに 「廊下でホッケーしよっ!」と、なんでもなかったように振舞いました。

マモも笑いながら、 「そうなや!」と。



マモがいなかったら、そっとカバンに入れてたかもしれません。

なぜ、あんなことしたのか?

そのときは、それ以上考えないようにしてました。



ただ、手紙を破ったとき、その破片を握り締めてました。



夕方、サッカー部の練習が終わり、家に帰ってポケットの中の紙切れを開いて見ました。

その紙切れには電話番号だけが残され、名前も、言葉の破片もありません。

誰?・・・・

机について勉強するふりしながら、気になるのはその電話番号です。



次の日、学校に行きづらかった。罪悪感と恥ずかしさ!


教室に入るやいなや、マモとサトシに声をかけて、わざと大声でくだらない話をする自分がいました。

周囲を無視するかのように、

そうせずにいられなかった気がします。



夕食後、居間で両親がテレビに見入っているのを確認し、玄関先で電話の前をうろうろしました。


日曜日の夕方、母親が買い物に行くのを待ち続け、出かけるとメモを片手に電話の前に立ちます。

受話器を握るもののダイヤルを回せない。

黒く、重く光る電話を見つめ、勇気の出ない自分を嘆き、手紙を破り捨てたことを考え出すと、なぜか頭の中が真っ白になるのでした。



マモはもしかしたら、相手が誰だか知ってたのかもしれない。

けど、聞くことも、その話を蒸し返すこともしませんでした。



しばらくは、そのことを忘れられるサッカーの練習がただ毎日楽しかった。







当時の電話は、その存在が相手と自身の間の敷居のようなものだったかもしれませんね。

入学式の後、黒い電話を見かけて思い出しました。

この頃だったな!って。
by moriken1103 | 2011-04-15 14:15 | 独り言 | Trackback | Comments(0)
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